子宮筋腫 : 手術方法(2)
●開腹術 (お腹を切って直接見て行う)
適応−子宮全摘術・子宮筋腫核出術
- メリット
- ・手術時間が短い。
・おなかの中の状態を直接見ることができるので、確実で安全な手術ができる。
・大きい筋腫や数の多いもの、筋腫以外の異常にスムーズに対応できる。
・筋腫の手術を行っている医療機関であればほとんどの場合受けられる。
- デメリット
- ・身体への影響が大きく、術後に痛みがある。
・術後の癒着が多い。
・入院期間が長く、社会復帰に時間がかかる。
・おなかに傷跡が残る。
●腹腔鏡出術 (お腹に1cm程度の穴を数個開け、そこから挿入した小型カメラで内部を見ながら行う。)
適応−子宮全摘術・子宮筋腫核出術
- メリット
- ・傷が小さくてすむ。。
・術後の癒着が少ない。
・術後の痛みが軽い
・入院期間が短く、社会復帰も早い。
- デメリット
- ・開腹手術に移行する場合がある。
・すべての筋腫に応用できない。
・手術に熟練を要する。
・特別な設備を必要とするため、受けられる医療機関が限られる。
●子宮鏡出術 (お腹は切らない。子宮用の内視鏡(子宮鏡)を子宮の入口から挿入して、内部の様子をモニターに映してそれを見ながら行う。)
適応−子宮筋腫核出術
- メリット
- ・膣からの手術のため、おなかに傷ができない。
・術後の痛みが軽く、回復が早い。
・入院期間が短く、社会復帰も早い。
- デメリット
- ・適応となる筋腫が限られる。
・まれに、腹腔鏡や開腹手術に移行する場合がある。
・筋腫が大きい場合、数回に分けて手術する場合がある。
●膣式出術 (お腹は切らない。膣から手術を行う。)
適応−子宮全摘術のみ。子宮筋腫核出術は行えない。
- メリット
- ・膣からの手術のため、おなかに傷ができない。
・術後の痛みが軽い。
・入院期間が短く、社会復帰も早い。
- デメリット
- ・手術の時に見える範囲が狭く、筋腫以外の異常に対応できない。
・開腹手術に移行する場合がある。
・分娩経験や筋腫の大きさに制限がある。
(出産経験があり、筋腫の大きさが成人の握りこぶし大以下の大きさで、手術の既往がないことが膣式手術の適応条件。 ただし、腹腔鏡を併用することで、この条件は緩やかになります。)